青空の独白劇

愛することはね、それは、見つめあうことではなく、ともに同じ方向を見ることなんだよ

NEWSに出会った6年前の夏の話

 沼にハマった瞬間を覚えているだろうか?

私はNEWSの沼にハマった時のことを鮮明に覚えている。

 6年前の夏 大殺界の渦中にいた。

実父からのモラハラとDVに限界が来て、家を出ることになり、生きていくことの全てを自分で担っていかなければならなくなった。生活費も学費も全て である。

夢を諦めて働き出すという選択もあったが、当時の私には考えられず、その選択を選ぶなら死んだのも同然だと思うくらいであった。そのくらい叶えたい夢だったんだと思う。

そんなこんなで生きていくために始めたアルバイトは超絶ブラックで、3か月ちょっとで辞めた。

幸いにも、住むところは、親族が施設に入所することになり「空き家になるから住まないか?」と声をかけてもらい何とかなった。

 この時、とにかく考えている暇はなく、とにかく毎日を生きるので必死だったことを覚えている。

ブラックアルバイトを辞めて、今後どうしていこう…私は一体どうなるんだ?生きていけるのか?と次のアルバイトもなかなか決められず、途方に暮れながら、絶望の中で叶えたい夢に絶望しないように生きていた時に見たのが2016年のテレ東音楽祭だった。

過去のJr.の映像大放出企画で嵐が映らないかな〜くらいの気持ちで見ていたような記憶がある。

その時にテレビに映ったのがNEWSの『weeeek』『チュムチュム』だった。

お偉いさんのお膝の上に乗って好き放題するNEWSに大笑いし、「え!?自由すぎん!?嘘やろ!?」と1人でテレビに向かって喋っていた。

衝撃的なweeeekの後に披露された『チュムチュム』

さっきの雰囲気とは打って変わって、インドのコンセプトに染まりきったNEWS。

インドに吹き飛ばしてくれるイントロ。エキゾチックで可愛い衣装。「チュムチュムインディア」という強烈な歌詞。全て私の好みだった。

歌詞の意味は全然分からないけれど、何もかもが好きで、録画をリピートしまくった。

Aメロの歌詞の最初が、インド語ではなく日本語をただ逆さまにしただけのものという事に気付いた時には大興奮したし、増田さんが衣装を手がけているということにも驚いた。

そして何より加藤さんの美貌が私を惹き付けて離さなかった。ちょうど『傘をもたない蟻たちは』の刊行時期で、色々なメディアに出ていて興味を持っていたにも関わらず、こんなに私の心を離さないのは一体何!?とエンドレスにリピートしたことを覚えている。

加藤シゲアキを知りたい…次のアルバイトが決まったら傘をもたない蟻たちはを買おうと強く思った。

チュムチュム出のNEWS担 爆誕の瞬間である。

その後、 傘をもたない蟻たちはを読んだりピングレを読んだりKラジを聴いて更に沼にハマっていくのだが…。その件についてはまた別の機会に話そうと思う。

チュムチュムに励まされた私は、その後近所のスーパーでアルバイトをすることを決めて、思い切って応募した。幼少期から買い物している店舗でのアルバイトは、緊張してカチコチだった。

初日はまだ出来ることがないから、ひたすらにカゴとカートを整備していた。そんな私の耳に飛び込んで来たのは、有線で流れていたNEWSの『チュムチュム』だった。

スーパーは、一気に異国の雰囲気に包まれインドに染まった。カチコチの私をNEWSが応援してくれているような気がして、大きい声で笑顔で「いらっしゃいませ」と来店したお客さんにカゴを手渡すことができた。NEWS そして『チュムチュム』に力を貰った瞬間だった。

スーパーでのアルバイトは、周りの環境に恵まれて楽しく卒業まで続けることができたし、途中決して、上手くいくことばかりではなかったけれど色んな人に助けられて夢も叶えることができた。

私はこれからもこの時期が来る度に、6年前のテレ東音楽祭を思い出すのだろう。