加藤シゲアキ~四部作のソロの点と点を繋いで~
6月13日の加藤シゲアキのSORASIGE BOOKで「四部作のソロは点と点を繋いで線になり、Narrativeからあやめに戻る感じ」と話しているのを聞いて、考察大好きオタクの心に火が付き、同じく考察が大好きなシゲアキ担のシンメと、あれやこれやと考察をした。(考察の沼にハマり気付けば夜が明けていた)
ソロの曲名を中心に、関連するワードを書き出して繋いでいく図まで書き、クラウドに綴られているライナーノーツやラジオを遡って読み返したり、DVDで演出を細部までチェックしたりした。
図は眠気と早く書きたい気持ちで字はぐちゃぐちゃである。
この記事は、そんな二人の考察をまとめたものである。四部作の時系列に考察をしていく。
○NEVERLAND『あやめ』
- あやめについて
加藤さんは、あやめについて「あやめは理想郷だったり多様性をイメージして作った」とラジオで話している。
あやめの花言葉は『希望』
- あやめとNarrativeの繋がり
あやめの冒頭は、加藤さんが倒れるところからイントロが流れ曲が始まる。
歌詞の中に
空から落ちる蜘蛛の糸 んなもんいらねえ飛んでやらあ
とあるところから、芥川龍之介の『蜘蛛の糸』を彷彿とさせる。過去のラジオで「空から雲の糸に繋がっている芥川的な意味もあったりする」と語っている。このことから、あやめの主人公は、奈落のような場所にいると推測される。
Narrativeの最後は、手を広げた加藤さんが奈落へ落ちていくところで終わる。Narrativeで落ちた先が、あやめの世界である可能性がある。
- NEVERLANDとあやめとSTORY
NEVERLANDは、4つのエレメントに分かれていて、加藤さんは光のエリア担当。
その光エリアのゲートが開くときに「光 それは未来へと続く希望」とミスターインポッシブルの紹介が入る。
光=希望 あやめの花言葉は『希望』
あやめの歌詞の中に
世界は光の地図を求める だから僕は生きていく
というフレーズがある。
STORYでは、NEVERLANⅮのOPの男たちが地図を求める旅をしている。
加藤さんは悪い村人によって、鎖で縛られた太陽を旗で風を起こして救い出し、村に゛光゛を取り戻してカカシから浮かび上がった地図を貰う。あやめで求めていた゛光の地図゛=STORYで貰った地図、あるいは完成させた地図の可能性がある。
このことから、四部作のソロの主人公は光の地図を求めている加藤シゲアキなのではないだろうかと仮定して話を進めていきたい。
○EPCOTIA『氷温』
- 氷温について
「床に落ちた氷が溶けていくのを氷時計のようにして飲んだことから着想して作った。」とライナーノーツやラジオで話していることから゛時間゛が一つのテーマになっている可能性がある。EPCOTIAでも、時空の歪みで時間が歪む演出がある。
「別れの瞬間を描写をイメージして作った。」とラジオで話している。
またコンサートの演出について「ライブの演出は好きに解釈してください」と語っている。
…よし好きに解釈させてもらうぞ。
- 君と僕
この曲には、君と僕が登場する。歌詞には
鏡越しの君 知らない顔をしている 昨日見た夢を話しかけてやめにした
とあることから、鏡越しに自分を見ていると推測される。
最初、加藤さんが座って新藤くんを眺めているが、途中から、加藤さんがいた位置に新藤くんが座り眺めている。このことから、やはり君と僕が同一人物である可能性が高い。
゛昨日みた夢を話しかけてやめにした゛ということは、君=過去の自分 僕=今の自分と推測する。
同一人物の可能性があると仮定して、君(過去の自分)=加藤成亮<新藤くん> 僕(今の自分)=加藤シゲアキ<加藤さん>として話を進めていく。
つまり、鏡越しの君(成亮)は知らない顔をしている(未来に起こることを何も知らない)
昨日見た夢をはなしかけてやめた(成亮にとっては未来のことだから言わなかった)という解釈ができる。
- 溶けると解ける
溶ける 固体が溶けて液体になること 溶け合うこと
解ける 結んでいたものが、自然と離れたり緩んだりするさま(ℊoo辞書より引用)
解けるの方は、結束していたものが解ける。人との別れをどこか彷彿とさせる印象を受けるのは私たちだけでしょうか。
紆余曲折あったNEWSの中で生きる加藤成亮と重ねてしまう。
テーブルに落ちてしまった氷が溶けてく 時が止まればと心で願っている
このまま時が止まれば…と願っているのは、おそらく加藤成亮でしょう。
- Don´t believe ㏌ me
氷温の中で何度も繰り返される゛Don´t believe ㏌ me゛というフレーズ
Don´t believe meは「私を信じないで」
㏌ meには、自分の能力や自分自身のことを表すときに使うため、Don´t believe ㏌ meで「今の自分の能力を信じないで」=自分には可能性があるよ という意味にも捉えられる。
Don´t believe ㏌ me 君を愛して
という歌詞は、加藤シゲアキが時が止まればと願う加藤成亮に「自分には可能性があるよ 成亮を信じて」と叫んでいるような印象を受ける。
- ハイヒール
2人が徐々に近づいていき、二人でダンスをして裸足だった加藤シゲアキに加藤成亮がハイヒールを託し、最初 加藤シゲアキがいた位置に座る。
このハイヒールは何を暗喩しているのだろうか。成亮がシゲアキに託したものは小説を書くことなのではないかと考える。成亮はシゲアキに溶け合っていき、裸足だったシゲアキがヒールを履く=小説家の加藤シゲアキとして歩いていく決意をする、もしくは誕生するといったメタファーともとれるのではないだろうか。
○ENCORE『カカオ』
- 氷温→カカオ
氷温のイントロの後にカカオが流れたり、氷温と呟く前にカカオと同様口元を拭う仕草をしていたり、氷温の最後同様に足を組んで歌い始めたり…と繋がっていることを匂わせるじゃないですか加藤さん…。そして足にはヒール。
そして、落ちサビには、加藤シゲアキとしての歴代のソロのメドレーが流れて、加藤さんはバックステージに向かって歩いていく。加藤シゲアキとして作り上げてきたソロの軌跡を表しているように取れる。
○WORLDISTA『世界』
- 世界について
ラジオにてこの歌は「自分の半径数メートルの世界っていうこと」「世界なのでちょっと過酷な辛いけど、絶望と希望が一緒にあるような世界」と語っている。
自分の半径数メートルといいうことは、円を描いたときに中心にいるのは自分ということだろうか。
この曲は、自分の心の奥底からの思いを吐き出して、自らを鼓舞するような印象だ。
ルリビタキは幸せの象徴と言われている。鳥言葉は『強い意志』
瑠璃三鳥のなかで、唯一、冬にも出会える鳥である。
加藤さんはルリビタキについて「辛い中でも遠くに見える希望」と話している。
- 誰にも託せぬ夢と世界が求めているもの
誰にも託せぬ夢とは、今自分自身が抱えている夢か、あやめに出てきた゛光の地図を求める゛ことなのか、それともどちらもなのか。
この曲の最後の
求めていたのは愛じゃなかったか 求めていたのは夢じゃなかったか 求めていたのは魂じゃなかったか
というフレーズ。これは光の地図を求める加藤シゲアキに問いかけているのか。
またあやめの最後の歌詞に
世界は心の奥底にある だから僕は生きていく
というフレーズが出てくる。世界=心の奥底のもの あるいは心の奥底にある場所ということだろうか。
○STORY『Narrative』
- Narrativeとは
加藤さんは「完結していない物語 結末のない物語 物語ること」とクラウドで語っている。
また「一人の男としてのナラティブは世界で歌ったので、今回は書くという行為について歌詞を書きました」とも。このことから世界=一人の男のNarrativeという図ができる。
- 羽ばたく残像
白雪の上 羽ばたく残像 ヤドリギの夢 どこまでも遠く
ここは、「小説でいう冒頭部であり、詩のような描写から展開していくイメージ」と話し、
白雪の上 羽ばたく残像 降り積もる黒滲む 混ざりあうライン
「もう一度出てくる冒頭と同じ歌詞。しかし次は描写ではなく、白い原稿用紙にそうした経験の残像を思い浮かべ、文字を滲ませていく。自分の内なる衝動やこれまでの経験を原稿用紙に殴りつけて、語り尽くす。そして未完成の声をとにかく綴り、ページになっていく」とクラウドで語ってる。
この白雪の上を羽ばたく残像は、何なのか。答えは、瑠璃三鳥のなかで、唯一、冬にも出会え『強い意志』という鳥言葉を持つルリビタキなのかもしれない。
強い意志を原稿用紙に語り尽くしていく。そしてNarrativeの中の原稿に綴っているものがたりは、『世界』での一人の男が物語り。内なる思い。心の奥底にあるもの。光の地図を求めている加藤シゲアキのNarrativeではないだろうか。
私たちがあれやこれやと考察し見つけた、加藤シゲアキ四部作ソロの点と線は以上である。少しずつ色んなことが繋がっているように思えて、他にもまだ沢山、秘密やギミックが隠されているのではないか!?とワクワクが止まらない。全てが答え合わせされる日は、いつかくるのだろうか…。